アート系の論文生成ツール はじめに
近年、生成AIを活用したアート作品が世界中で注目を集めています。
Midjourney、DALL-E、Stable Diffusionなど、AIツールを使えば誰でも手軽にアートを生み出せる時代になりました。
文芸でも先日、AIが95%、人間が5%で書いた小説が発表されました。
これからはAI抜きでの制作は少なくなっていくのではないでしょうか。
そんなこんなで、ただ作品を作るだけでいいのかと。
「AIと人間が協力して、新しいアート表現を科学的に探求する」
そんなものがあってもいいのではと。
いろいろ調べていたら、sakana.aiさんが論文生成AIの
AI Scientist-v2
をオープンソースで公開してくれました。
そこで、これを参考にもっと簡略化して、google colabでも動かせるシステムに改変してみました。
名付けて
Google Colab上で動かせるアート版論文生成ツール
【アート版RonbunColabフルコード】です。
この記事では、その内容と使い方、実際に試した感想をレポートします!
なぜ「アート系論文生成」にチャレンジしたのか?
もともと私は、AIやデジタル技術を使ってのアート作品も作っています。(もちろんアナログもやります)
でも、ふと思ったんです。
「作品を作るだけじゃなく、制作プロセスや結果を科学的にまとめたら面白くない?」
もちろん、アート系でも「仮説→検証→考察」という論文スタイルは存在する。
例えば、
デザインプロセスの比較研究
生成AIと人間の共同創作に関する分析
デジタルアート作品の評価方法の開発
こうしたテーマが、立派な研究として認められているのです。
そこで、
「アート版の科学論文を、AIと一緒に作れたら面白いじゃないか!」
と思い立ったわけです。
【アート版RonbunColabフルコード】とは?
今回作ったツールは、
Google Colab上で動かせる超シンプルなプログラムです。
使い方は簡単!
アート系の研究アイディアを入力する
AIが自動で仮説案を3つ生成
新規性・実現性・インパクトの観点でベスト仮説を選定
選ばれた仮説をもとに、論文ドラフト(要旨~考察)を自動生成!
しかも最後には、
参考文献リスト(※今回はダミー文献)までつけてくれます!
出力はMarkdownファイルなので、あとからブログ記事やプレゼン資料にアレンジするのも簡単です。

実際にやってみた
今回はこんなアイディアをセットしました。
「生成AIと人間の共同制作による新しいアート表現の可能性」
このテーマをもとに、
仮説案が3つ生成されました。
インタラクション頻度の影響
人間の意図の反映度の影響
AIの学習モデルの多様性の影響
アート領域に合わせて、
「創造性」「感情的インパクト」なども評価基準に組み込みました。
最終的に選ばれたベスト仮説は──
「AIの学習モデルの多様性の影響」
というもの!
その仮説に基づいて、
AIが数分で論文ドラフトを完成させてくれました。
使ってみて感じたこと
まず、めちゃくちゃ簡単!
普通なら数日~数週間かかるような論文の下書きが、
わずか数分で形になります。。
しかも、
仮説を複数案出して、比較して、ベストを選ぶ流れが入っているので、
「ただの作文」じゃなく、ちゃんと思考プロセスがある
──ここがすごく良いポイントです。
もちろん、
最後の仕上げ(文章のブラッシュアップや本物の文献探し、コードの改変)は人間の仕事ですが、
「ゼロから考えるハードル」がぐっと下がった感覚があります。
まとめ:アートとAIの未来を自分で切り開こう
今回作った【アート版RonbunColabフルコード】は、
アート研究の新しい可能性を感じさせてくれるツールでした。
「アートとAIの融合」に興味がある人、
「論文っぽいアウトプットを作ってみたい人」、
めちゃくちゃおすすめです。
これからは、
「作品を作るだけ」じゃなく、
「プロセスを科学する時代」がくるかもしれません。
興味のある人はぜひ、使ってみてください。

コードを掲載
以下にコードを掲載しておきます。
(このコードは、gpt-4oのAPIを使うので、API料金がかかります。
無料でいきたい人はそこの所をいいように改変してください)
(まあ、実際はこの程度の出力ならGPTsでも同じようなことはできるのですが、コードにしたかったので。あしからずです)
*コード用のタグに入れるとなぜか表示されないバグがあるので、直貼りしておきます。
**************コードここから
# — ライブラリインストール —
!pip install openai
# — ライブラリ読み込み —
from openai import OpenAI
import json
import random
import re
import os
#Google Colab 上で安全にAPIキーを入力
os.environ[“OPENAI_API_KEY”] = input(“OpenAI APIキーを入力してください: “)
#APIキーを環境変数から取得してクライアントを初期化
client = OpenAI(
api_key=os.getenv(“OPENAI_API_KEY”)
)
# — 上記のAPI入力がうまくいかない際はこちらを利用 直接書くバージョン #コメントを外してから使用 —
#client = OpenAI(
# api_key=”YOUR_OPENAI_API_KEY” # ←★ここに自分のAPIキーを入れて!
#)
# — ①アート系アイディア入力 ここの文言を変えることで論文の内容が変わります—
#記述が面倒な方は、このidea欄をコピペして “idea_name”だけを変えて、あとはchatGPTに書いてもらうのもありです
idea = {
“idea_name”: “生成AIと人間の共同制作による新しいアート表現の可能性”,
“summary”: “生成AIと人間が交互に作業を行うインタラクティブな共同制作プロセスを開発し、アートの創造性や独創性がどのように変化するかを検証する。”,
“problem”: “現在の生成AIアートは一方向的であり、人間のクリエイティブな意図を十分に反映できていない。”,
“hypothesis”: “人間とAIが交互に作業するインタラクティブな制作プロセスを導入することで、より独創性の高い作品が生み出される。”,
“methodology_hint”: “人間とAIのインタラクション回数を変えながら複数の作品を制作し、創造性や独自性を第三者評価で比較する。”,
“expected_result”: “交互制作によって、従来のAI単独生成よりも独創的かつ感情的なアート作品が得られる。”,
“evaluation_metric”: “独創性スコア、芸術性スコア、感情的インパクト評価”,
“field”: “アート・クリエイティブテクノロジー”
}
# — ②仮説案を3つ生成 —
prompt_hypotheses = f”””
あなたはアート・クリエイティブ領域の研究者です。
以下のアイディアをもとに、異なる仮説案と実験案を3つ提案してください。
それぞれ簡単な理由も添えてください。
アイディア情報:
{json.dumps(idea, ensure_ascii=False, indent=2)}
“””
response_hypotheses = client.chat.completions.create(
model=”gpt-4o”,
messages=[
{“role”: “system”, “content”: “あなたは優秀なアート研究開発プランナーです。”},
{“role”: “user”, “content”: prompt_hypotheses}
],
temperature=0.7
)
hypotheses_text = response_hypotheses.choices[0].message.content
print(“=== 仮説案3つ ===\n”)
print(hypotheses_text)
# — ③ベスト仮説を選ぶ —
prompt_select = f”””
以下の3つの仮説案を比較し、「新規性」「実現性」「芸術的インパクト」の観点でそれぞれスコア付けし、最も良い仮説案を1つ選んでください。
選んだ理由も簡潔に説明してください。
仮説案:
{hypotheses_text}
“””
response_selection = client.chat.completions.create(
model=”gpt-4o”,
messages=[
{“role”: “system”, “content”: “あなたは優秀なアート系研究レビュアーです。”},
{“role”: “user”, “content”: prompt_select}
],
temperature=0.3
)
selection_result = response_selection.choices[0].message.content
print(“\n=== ベスト仮説選定結果 ===\n”)
print(selection_result)
# — ④選ばれた仮説で論文ドラフトを作成 —
# 仮説内容だけを抽出する
match = re.search(r’最も良い仮説案は(.+?)。’, selection_result)
best_hypothesis = match.group(1) if match else “仮説1”
# ダミー参考文献を生成
def generate_dummy_references(n=5):
authors = [“Smith”, “Johnson”, “Tanaka”, “Wang”, “Garcia”, “Müller”, “Kumar”]
journals = [“Journal of Art Research”, “Creative AI Conference”, “Journal of Digital Creativity”, “Art and Technology Review”]
years = [2018, 2019, 2020, 2021, 2022, 2023]
dummy_refs = []
for _ in range(n):
author = random.choice(authors)
year = random.choice(years)
title = f”Research on {random.choice([‘Human-AI Collaboration’, ‘Interactive Art’, ‘Generative Art Techniques’, ‘Emotion-Driven Creation’])}”
journal = random.choice(journals)
ref = f”{author}, A. ({year}). {title}. {journal}.”
dummy_refs.append(ref)
return dummy_refs
dummy_references = generate_dummy_references(5)
references_text = “\n”.join([f”{i+1}. {ref}” for i, ref in enumerate(dummy_references)])
# 論文ドラフト用プロンプト(文字数指示版)
prompt_final_paper = f”””
以下の仮説案にもとづき、アート研究領域にふさわしい論文のドラフトを書いてください。
構成は以下の通りです。
– 要旨(Abstract):約600文字
– 導入(Introduction):約600文字
– 方法(Methods):約600文字
– 結果(Results):約600文字
– 考察(Discussion):約1200文字
– 結論(Conclusion):約600文字
各セクションはそれぞれ明確に分けて、適切な文字数で詳細に記述してください。
また、最後に参考文献リスト(以下のダミー文献)を追加してください。
仮説案:
{best_hypothesis}
参考文献リスト(ダミー):
{references_text}
“””
response_final = client.chat.completions.create(
model=”gpt-4o”,
messages=[
{“role”: “system”, “content”: “あなたは優れたアート研究論文ライターです。Markdown形式で出力してください。”},
{“role”: “user”, “content”: prompt_final_paper}
],
temperature=0.5
)
final_text = response_final.choices[0].message.content
# ファイルに保存
with open(“generated_paper_art_v2_conclusion.md”, “w”, encoding=”utf-8″) as f:
f.write(final_text)
print(“\n論文ドラフトが作成されました!”)
*************コードここまで

実際の出力例
このシステムで生成した論文を掲載します。
簡易的な論文で参照文献もダミーですから、あしからず。
あくまでも論文の流れの参考程度の文章量です。
(予稿程度)
こんな感じで出力されるよといった程度の認識で読んでください。
実際の論文には数万字のものもありますので、コードをいじって改良してください。
(APIを使う場合は料金がかかってきます。あまり長い出力は予算の範囲で)
出力は日本語で書いています。英語版もプロンプトに「出力を英語にして」と一言加えればOKです。
ではどうぞ。
# AIの学習モデルの多様性がアート創作に与える影響
## 要旨(Abstract)
本研究は、AIの学習モデルの多様性がアート創作に与える影響を探ることを目的とする。AI技術の進化に伴い、アートの分野においてもAIを用いた創作活動が活発化しているが、学習モデルの多様性が作品の質や創造性にどのように影響を及ぼすかは十分に理解されていない。本研究では、異なる学習モデルを用いたAIが生成するアート作品の特徴を比較し、その多様性が作品の新規性や感情的影響にどのように寄与するかを分析する。実験では、ディープラーニングや生成的敵対ネットワーク(GAN)を含む複数の学習モデルを使用し、それぞれのモデルが生成する作品を評価するために専門家と一般観衆からのフィードバックを収集した。結果として、学習モデルの多様性は作品の創造性と感情的影響に大きな影響を与えることが示された。この研究は、AIを用いたアート創作における学習モデルの選択が作品の特性に与える影響を理解するための基礎を提供し、今後のAIとアートの融合に向けた新たな視点を提示する。
## 導入(Introduction)
アートとテクノロジーの融合は、近年急速に進展している分野である。特に、AI技術の進化はアートの創作プロセスに革命をもたらしつつある。AIが生成するアート作品は、従来の人間のアーティストによる作品と比較して、異なる美的価値や感情的影響を持つことがしばしば報告されている(Smith, 2019)。しかし、AIの学習モデルの多様性が具体的にどのように作品に影響を与えるのかについては、まだ十分に解明されていない。
本研究では、AIの学習モデルの多様性がアート作品の創造性や感情的影響にどのように寄与するかを探る。AIの学習モデルには、ディープラーニング、生成的敵対ネットワーク(GAN)、強化学習など多様なアプローチが存在する。これらのモデルは、それぞれ異なる方法でデータを処理し、異なる特徴を持つアート作品を生成する可能性がある(Tanaka, 2021)。
本研究の目的は、異なる学習モデルが生成するアート作品を比較し、その多様性が作品の新規性や感情的な影響にどのように寄与するかを明らかにすることである。この研究は、AIを用いたアート創作における学習モデルの選択が作品の特性に与える影響を理解するための基礎を提供する。
## 方法(Methods)
本研究では、異なるAI学習モデルを用いてアート作品を生成し、それらの作品を比較分析することで、学習モデルの多様性が作品に与える影響を評価した。使用した学習モデルには、ディープラーニング、生成的敵対ネットワーク(GAN)、強化学習の3つを選定した。これらのモデルは、異なるアルゴリズムとデータ処理方法に基づいており、それぞれが異なるアート作品を生成することが期待される。
実験は以下の手順で行った。まず、各学習モデルに同一のデータセットを提供し、アート作品を生成させた。生成された作品は、視覚的特徴、構成、色彩、そして感情的影響の観点から評価された。評価は、アートの専門家からのフィードバックと一般観衆によるアンケート調査を通じて行われた。
アートの専門家には、各作品の創造性、新規性、そして技術的完成度を評価してもらい、一般観衆には作品から受ける感情的な影響についてのフィードバックを求めた。これにより、学習モデルの多様性が作品に与える影響を多角的に分析することが可能となった。
## 結果(Results)
実験の結果、異なる学習モデルが生成するアート作品には顕著な違いが見られた。ディープラーニングを用いたモデルは、色彩の豊かさと複雑な構成において高い評価を受けた。一方、生成的敵対ネットワーク(GAN)を用いた作品は、創造性と新規性において特に高い評価を得た。強化学習モデルは、作品の技術的完成度において安定した評価を示したが、他のモデルと比較して創造性や感情的影響の面ではやや劣る結果となった。
アートの専門家からのフィードバックでは、GANを用いた作品が最も高く評価され、その新規性と創造性が特に注目された。一般観衆によるアンケート調査でも、GAN作品は感情的な影響を強く与えることが確認された。これに対して、ディープラーニング作品は視覚的な美しさが評価され、強化学習作品は技術的な完成度が評価された。
これらの結果は、AIの学習モデルの多様性がアート作品の特性に大きな影響を与えることを示唆しており、特に創造性と感情的影響においてその影響が顕著であることが明らかになった。
## 考察(Discussion)
本研究の結果は、AIの学習モデルの多様性がアート作品に与える影響が大きいことを示している。特に、生成的敵対ネットワーク(GAN)を用いたモデルが、新規性と創造性において他のモデルを凌駕していることが明らかになった。この結果は、GANが持つ生成能力の高さと、敵対的な訓練プロセスが新しいアイデアを生み出すための柔軟性を提供することに起因していると考えられる(Tanaka, 2021)。
また、ディープラーニングモデルが色彩の豊かさと複雑な構成において高く評価されたことは、ディープラーニングの深層構造が持つ特徴抽出能力の高さを反映している。このモデルは大量のデータを処理し、複雑なパターンを学習する能力に優れているため、視覚的に魅力的な作品を生成することができる(Smith, 2019)。
一方で、強化学習モデルが技術的完成度において安定した評価を示したが、創造性や感情的影響の面では他のモデルに劣る結果となったことは、強化学習の特性に起因する。強化学習は、特定の目標を達成するための最適な行動を学習するプロセスであり、創造性を重視したアート作品の生成には不向きである可能性がある(Müller, 2019)。
これらの結果は、AIを用いたアート創作において学習モデルの選択が作品の特性に与える影響を理解するための重要な知見を提供する。特に、創造性や感情的影響を重視する場合には、GANのようなモデルがより適していることが示唆される。
さらに、本研究はAIとアートの融合における新たな視点を提供するものであり、今後の研究においては、異なる学習モデルを組み合わせたハイブリッドモデルの可能性や、より多様なデータセットを用いたさらなる分析が求められる。このような研究は、AI技術がアートの分野においてどのように革新をもたらすかを理解するための基礎を築くものである。
## 結論(Conclusion)
本研究は、AIの学習モデルの多様性がアート作品に与える影響を探ることで、AIを用いたアート創作における学習モデルの選択の重要性を明らかにした。結果として、生成的敵対ネットワーク(GAN)が新規性と創造性において特に高い評価を得た一方で、ディープラーニングモデルは視覚的な美しさにおいて優れていることが示された。強化学習モデルは技術的完成度で安定した評価を示したものの、創造性の面では他のモデルに劣る結果となった。
これらの結果は、AI技術がアートの分野においてどのように活用されるべきかについての重要な示唆を提供する。特に、創造性や感情的影響を重視するアート作品の生成には、GANのようなモデルが有効であることが示唆される。今後の研究では、異なる学習モデルを組み合わせたハイブリッドモデルの開発や、より多様なデータセットを用いた分析が求められる。
本研究は、AIとアートの融合における新たな可能性を探るための基礎を提供し、AI技術がアートの創作プロセスにどのように革新をもたらすかを理解するための一助となることを期待する。
## 参考文献リスト(ダミー)
1. Smith, A. (2019). Research on Emotion-Driven Creation. Creative AI Conference.
2. Smith, A. (2018). Research on Emotion-Driven Creation. Journal of Art Research.
3. Tanaka, A. (2021). Research on Human-AI Collaboration. Art and Technology Review.
4. Tanaka, A. (2021). Research on Human-AI Collaboration. Art and Technology Review.
5. Müller, A. (2019). Research on Human-AI Collaboration. Journal of Art Research.
さらに本格的な論文を書きたい方は、
sakana.aiさんの論文生成AI
AI Scientist-v2
を使ってください。(2025年4月現在)
ご参考までに!!
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